新潟水害は自分にとって初めてのボランティア活動でした。当初は水害直後の活動を考えていましたが,仕事の都合からいくことができなくなってしまいました。しかし、被害が甚大であったためか2週間を過ぎた時点でもボランティア活動が継続されていることを知り、ちょうど会社の夏休みが始まったこともあり7/31移動、8/1〜8/2活動 8/3移動の日程で災害支援活動を行ってきました。当初は一般ボランティアの活動になるであろうことを想定した準備を行っていましたが,現地ボラセンでは二輪車の輸送業務が必要とされており新潟RBのメンバーと合同で活動を行いました.自分が到着した時点では輸送ニーズも減少が始まった時期で、大分余裕のある行動ができましたが、7/31までの時点では休憩なども出来る状態ではなかったようです。
帰路は新潟RBの方から魚沼スカイラインのコースを薦められたこともあり,一般道で帰郷しました。
ボランティア登録について――ボラセンには前日に連絡をとり人員が必要であることと、二輪車が必要であることの確認を行いました.しかしボランティアセンターは一本化された系統だった組織ではないようなので、ボランティア登録する場合には地元のRBと連絡をとりアドバイスを受けるか同席してもらうとよいと感じました。
物資輸送――物資輸送のため、必要にして十分な積載容量を確保する必要があります。タンクバック、振り分けパック、キャリア、デイバッグ、ネット、ロープなどです。振り分けバッグは価格も安く重心が低下するうえ、後席が使用できるのでお勧めです。リヤボックスは防水性などには優れていますが、これを超える大きさのものは積載が困難になるので、必要に応じて簡単に脱着できるものがのぞましい。新潟では装備していきましたが外したままでした。運んだ物資は飲料水
シャベル、ひしゃく、長バール(1.6m 30kg)、短バール、土嚢袋、バケツ、などです。長尺ものが多かったため積載には要領が必要でした.距離は片道4km以内、出動回数は2日間で9回。待機中にはボラセンの雑務作業を行っていました.(自分の到着以前には高速道路を用いた輸送業務も発生したようです。)
医療救護――活動初日にはRBの待機場所の隣に赤十字の医療班が待機していましたが、二日目からは医療物資を残した状態で撤退されました。このため、ボランティアの方の治療を行うケースがありました。傷病状態は屋外作業中の虫さされ、事務作業中の切創、ガムテープによるかぶれ、長時間のチェーンソー作業による筋肉痛などです。傷病者に被災者はなく、すべてボランティア活動者です。
宿泊場所――ボランティアのための宿泊場所が用意されていましたが、事前の情報収集に失敗したために利用できませんでした。ただし、環境は相当によくないようで、これらを利用しようとするときには十分な体力と少しでも快適にすごすための工夫が絶対に必要です.支援の乗合バスに乗られた方の中には、屋根もない青空駐車場の地面で仮眠するはめになった人もいるようです。自分は25kmほど離れたビジネスホテルに宿泊したため、休息に関しては問題はなかったです。
単独行動について――都市部の災害では、単独行動とならざるを得ない可能性が高い.これは必要とされる二輪車が絶対的に不足すると考えられるためです.ただし、不慣れな地域である場合や任務内容、運転者の経験によっては複数行動が望ましい.安全第一を前提とした臨機応変が必要かと思います.新潟では最初だけ同行していただき、後は単独で活動できました。
二人乗りについて――今回の新潟水害では実際に二人乗りの要請が二件ほどありました。自分も同乗者用ヘルメットを持参していきましたが、一件目はたまたま搬送物が多く同乗者用ヘルメットを下ろしていたため、またもう一件はボランティア所有の軽自動車が使用されたため実際には発生しませんでした。このため、被災地域によっては二人乗りのニーズは確実に発生すると思われます.これに関しては、走りながらのスリ抜けはしないなどの安全に配慮した走行であれば問題ないと思います.ただし、路面状態など状況をよく見極めるだけの経験を持ち、場合によっては一時的な降車や、中止をするだけの決断力も必要かと思われます.
ランドナビゲーション――新潟ではボラセンのマッチングと呼ばれていた部門から輸送伝票といっしょに輸送地点の近隣地図が添付されてきますが、土地感がないためにGPSとデジタル地図(電子手帳)の組み合わせが有益でした。ただし、電子機器などナビゲーションシステムは道に迷う確率が格段に減るため非常に有益ではありますが、悪環境に弱いことや電源の問題に気を配る必要があり欠点も多い。GPS単体であれば電池でも動作するうえ、防水性能をもつ機種も多いため悪環境には強いのですが、使いこなすのが難しいうえに必要とするレベルの地図などは表示できないためデジタル地図や経緯度の入った精密な地図が必要となります。このため本部からは住所だけでなく、目的地の座標を教示する仕組みがあればGPSだけの運用も可能となり運用効率が向上するものと思われます.新潟では小さな橋は落橋していて迂回したことがありましたが、都市部の震災などでは目印となる建物などが倒壊したり、住居表示が破損している場合もありえると感じました.
電源――携帯電話やハンディライトなど電力を必要とする機器が必要となりますが、これらの電力確保について考慮しておく必要があります。最近はパソコンのUSBから充電、動作できるものも多いので、二輪車から12Vを引き出し、これをUSBの電源出力に変換するプラグを装備するとかなり使えます。
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