災害ボランティア団体による,公衆通信網不通時を想定した広域情報共有訓練です.本訓練の主旨にご賛同くださる方はイベント招待の有無を問いませんので,どなたでも参加ボタンを押してご参加ください.
1.要旨
危惧されている南海トラフ地震,直下型関東地震などの大災害発災により公衆通信網が被災し,情報孤立地域が発生することが予想されます.有線系の地上通信網が停電や通信ケーブルの物理的破壊により使用不能になった場合,一般の固定電話やインターネットは使用できなくなります.携帯電話網を維持管理する通信キャリア各社は大災害発災時に移動基地局車を配備する体制を整備していますが,道路が被災し交通網が機能不全となるなどの理由でこれらの車両を運用することができない場合は携帯電話も使用不能となります.このため,電話,インターネット,携帯電話全ての情報通信の空白地域が発生することは十分に想定される事態です.発災後72時間以内の救命率を向上させる観点からも情報通信の空白地域が発生することは望ましくありません.
そこで,公衆通信網が被災した際に有効に機能する通信網を構築することを目的とした訓練を実施し,情報孤立地域の救援手順を確認し,課題を洗い出すための訓練を実施します.
2.想定被害
大震災により静岡県下田市および松崎町周辺地区に情報空白地域が発生
3.対策(訓練内容)
アマチュア無線機およびディジタル簡易無線機による無線中継ネットワークを構築し,被災エリア(情報空白地域)の情報を公衆通信網が利用可能なエリアまで中継し届ける.
アマチュア無線機は広く普及している144MHz帯および430MHz帯のものを,ディジタル簡易無線機は近年普及している351MHz帯のものをそれぞれ使用する.運用者は,神奈川県,静岡県内のボランティア団体メンバおよび社会福祉協議会職員有志とする.
具体的には,以下に示す合計7地点に救援局(5箇所)と被救援局(2箇所)を統括および各地点リーダが設置し,仮想被害情報を被救援局から発信し,その情報を各救援局まで無線電波による音声通話で中継する.そしてその際に,各拠点間の音声通話通信の可否およびその通信品質を確認する.
救援局:横浜局,小田原局,伊東局,静岡局,御前崎局
被救援局:下田局,松崎局
4.訓練の方法
各救援要支援局の間で音声通話による訓練文の伝達を行うとともに,RS形式で信号強度および音声の明瞭度を記録する.下田局と松崎局においては局相互の通信を確保し,静岡局と小田原または横浜の局の情報を中継する.また,各拠点間における訓練開始タイミングなどの連絡手段として電子メールやLINEなどの補助通信手段を準備する.
5.訓練日時
平成29年7月23日(日) 10:00~12:00
6.訓練結果の取扱
本訓練結果は,使用した無線設備およびその設置場所情報を記録し,本訓練参加自治体およびボランティア団体等の間で情報通信協定の締結を結ぶ検討を実施する際の参考資料として公開する.
7.訓練体制(案)
統括 植山利昭(神奈川災害ボランティアネットワーク)
沢田健介(神奈川レスキューサポートバイクネットワーク)
地点リーダ
横浜局:沢田健介(神奈川レスキューサポートバイクネットワーク)
小田原局:宇佐美政徳(西湘ボランティアネットワーク)
伊東局:未定(神奈川かもめ会無線倶楽部)
静岡局:大石学(清水災害ボランティアネットワーク)
御前崎局:落合美恵子(御前崎災害支援ネットワーク)
下田局:未定(下田市消防団)
松崎局:玉木優吾(松崎町災害ボランティアコーディネートの会)
問い合せ先
神奈川災害ボランティアネットワーク 植山利昭
神奈川レスキューサポートバイクネットワーク 沢田健介