Kanagawa Rescue Support Bike Network Kanagawa Rescue Support Bike Network


2004/7
新潟水害支援活動報告−2
記)井上 哲也

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この記事では活動報告は特に行わず、今回の支援活動を通じて得たノウハウや課題を記してみたい。

1)情報収集
 災害が発生しボランティア活動をやる意思が生まれたら、まず行うことは情報収集となる。TVはもちろん、インターネットも役に立つ。今回は三条市など自治体のHPで、早い時点でボラ関連情報が発信された。これによりボランティア活動全体の状況がわかる。しかし実際は自分の知りたい情報が綺麗にまとめられているはずも無く、ネットでの情報収集はキリが無く、時間ばかりが流れ、焦る。現地で活動している人間から電話で聞くのが手っ取り早い。この相手はやはりRB関係者が適当だろう。自分が真っ先に被災地入りをするのでなければ、地元または他県RB関係者が既に入っていることが多い。誰が既に現地入りしているかといった情報や、またその人と面識が無い、という場合は、神奈川RBの役員に聞けばアクセス可能。今回は埼玉RBや千葉RBの人間から情報を得た。ここで確認すべき内容は色々あるが、相手は当然忙しい状態で、通話も携帯電話であろうから簡潔であることが好ましい(電話すること自体を遠慮する必要はない)。活動内容については実際に現地入りしないとわからないことが多いのであまり聞いても意味は薄く、バイクの必要性、準備すべき器具、宿泊については聞いておくべきだろう。

2)準備
準備は状況により大きく変わるだろうが、今回についていうと、まだ激しい豪雨が続いており疲労の懸念があったことからクルマによる移動とした。宿泊はネットでホテルを予約した。ボランティア活動のために宿に宿泊することに抵抗があったが、仕事の都合から活動終了後に疲労を残すことは許されず、また慣れない力仕事をした状態で屋外や簡易宿泊施設に泊まることは疲労を生み二次災害につながることから判断した。なお、被災者の分を横取りしない様に、宿には充分に空きがあることを確認したことを付け加えておく。事前に得た情報から物資よりもマンパワーが必要ということだったため、準備する物品は自分のためのものを中心とした。具体的には、丈が長めでかつ機動性のある長靴、通気性の良さそうなヘルメット、厚手の革手袋、多めの(乾いた)タオル、など。食料についてはカロリーメイト程度とした。一般に水害の場合は、被災地から少し離れると商店などは普通に営業しているためである。

3)移動
7/18〜19を活動に充てるため、17日の日中は私事と準備とし、移動は夜間とした。これについては反省点である。関越道を北上したが、やはり新潟県に入ったあたりから激しい豪雨に見舞われ、ワイパーは常に最速モードで、視界の悪化はひどく、ゆっくりと前に進むのが精一杯だった。視界以外にも、単独での運転だったため、夜と豪雨とで孤独感(恐怖感)が強まる。やはり、長距離移動時は複数人が望ましく、また可能ならば夜間は避けるべきである。RB内の他のメンバーと、日程を少しずらせれば同行が可能というのであれば、同行できる様に努力が必要だろう。三条市に入っても雨は強いままだったため、無駄な運転は控え、すぐに宿に入った。

4)初日の活動
初日の朝は、三条市隣りの燕市に設置された新潟RBの本部に向かい、既に前日から活動している神奈川RBの杉野氏と新潟RBメンバーから全体的な状況を聞いた。その結果三条市のボランティアセンターに向かうこととした。移動は自分のクルマで、現地RBメンバーに先導して頂いた。ボラセンでは、新潟RBの机が置かれており、そこでボラセン側からの依頼を受ける形だった。当日の活動内容は、三条市内の各保育所に被災者がいるかの情報収集、各避難所でボランティアニーズがあるかの聞き取り調査、安否確認などであった。ボラセン側のスタッフは福井のボラグループが主体となっていたが、ちょうど福井でも水害が発生し帰宅する必要があったため、RB関係のスタッフ業務を手伝った。ところで、RBがボランティア活動する際にその参加形態がどうなるか関心があったが、今回は新潟RBがボラセンに基本的に所属する形となり、ボラセン側から大きな仕事の単位でRBが引き受け、それをこなす流れとなっていた。細かい問題はあるものの、両者の関係も概ね良好であり、ひとつの活動形態として参考になった。活動は夕方には終了となり、その日の活動について反省会が開かれた。これにより多くの関係者とコミュニケーションが取れることは、複数日活動する場合には有効である。

5)二日目の活動
中之島町での一般ボランティアに参加した。朝ボラセンに行き、ボランティア登録を行った。ボラセン内は経験豊かなボランティア団体の運営により、数千人集まったボランティア希望者は粛々と各被災地に振り向けられた。この運営の手際の良さには驚嘆してしまうほどであり、阪神淡路震災以後の経験が充分に活かされていると感じた。ただし、仮にこの場へRBのマークを掲げて団体として参加をするとすれば、どの様な参加形態が適当なのかわからない。今後の課題だろう。ボランティア登録の結果、RB6人・地元の高校生2人・地元の主婦2人で計10名のチームを組み、被災者宅で荷物の運び出し作業をすることとなった。被災者宅までは酷い泥道となってしまい、また倒壊した家屋を撤去する自衛隊の重機がうなりを上げて活動しており、異様な光景。事故に注意が必要である。被災社宅では水没した荷物の運び出しを泥だらけで行ったが、以下の注意が必要であった。細菌を多く含むと思われる泥を避けるためのマスク着用、割れ物でケガをしないための手袋、水分補給、適切な(少し多めの)休憩、上下レインコートの着用、など。中でも休憩は多く必要。活動メンバーは全員体力があるとは限らない。またこのチームのリーダ役を担当したが、この立場ではリーダ業務に5割を裂く気持ちで作業すべきと思った。その意図の全ては二次災害の防止である。力仕事から離れることに抵抗感はあるが、異常な状況では普段なら気づかないことで事故が発生する。今回は怪我人こそ無かったものの、途中で気分を悪くする人が出てしまったことが反省点である。以上。

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