Kanagawa Rescue Support Bike Network Kanagawa Rescue Support Bike Network


2004/2/8
ライダーの為の普通救命
講習会報告
記)河内善徳

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2/8(日)、辻谷さんよりお知らせのありました「ライダーの為の普通救命講 習会」に参加してきました。場所は府中消防署3階会議室で、krbからは私と後藤さんの2 名が参加しました。朝、7時過ぎに家を出発し途中多少迷いましたが、8時40 分頃には駐車場に指定されていたルミエール府中の駐輪場に到着しました。
参加人数は17名で、途中、出場などで抜けた方もいらっしゃいましたが4名の救急隊員の方々に指導を受けました。最初、消防に関する説明があり、前日の2/7(土)の出場は33件で多いときには40件以上の救急隊の出場があるそうです。府中消防署でフォローしきれなければ、近隣の府中などから応援を受けるそうです。また最近は東京都ではPA連携と言って、ポンプ車(Pumper)と救急車(Ambulance)が同時に出場することが多いそうです。(昨日の「ボランティアの為の救護法研修会」でもその話が出ました)救急車よりも消防車の方が皆さん、道を開けてくださるそうで、消防車の方が早く現着するそうです。皆さんも救急車を呼んだはずなのにポンプ車が着たからといってあせらないでください。少し待てば救急車も着ますから。
講習ではまずは心肺蘇生法を行いました。以前、習ったときは「脈の確認」でしたが今は「循環のサインの確認」に変わっており戸惑ってしまいました。心肺蘇生法の流れは以下の通りになります。
1.周囲の状況確認(交通量が多いところでは車を止める)
2.大出血の有無の確認(出血が多い場合は止血を優先)
3.意識の確認(3回、だんだんい大きな声をかける)
4.助けを求める(救急車を呼んでもらう人は指差してお願いする)
5.呼吸の確認(出来るだけ傷病者の口や鼻に耳を付けるぐらい近くで)
6.人工呼吸2回(580〜800ml位、胸が膨らむ程度)
7.循環のサインの確認(呼吸、咳、動きの確認)
8.心臓マッサージ(15回)と人工呼吸(2回)を4サイクル1分間
9.循環のサインを確認し無ければ「8.」へ戻る

注意点としては以下のことを挙げられていました。
1.大出血は65sの体重で500ml(ペットボトル1本分)ぐらいなら許容範囲だが出血が続いているようなら先ず止血
2.呼吸の吹き込みは580〜800ml程度で胸が膨らむのを確認
3.心臓マッサージは80〜100回/分のペースで
4.脳に血液(酸素)を送ることが重要で完全な心肺蘇生法を思い出せなくても救命の為には行ってほしい
5.溺れた人に人孔呼吸を行う場合、他より救命率が高いのであきらめずにやってほしい
6.交通量の多い所での傷病者の移動は、車を止め、頚椎損傷に気をつけて運ぶ(首を固定する)

今回は配布されたレサコを使って人工呼吸を行いましたが、私は初めてこれを使った為ちょっ と失敗してしまいました。レサコはご存知の通り、傷病者の唾液などが付かないようなビニー ルと、息を吹き込むときに逆流しないようなパイプが付いており、傷病者の吐いた息はパイプと唇の 隙間から出ます。ちょっと考えれば当たり前のことで恥ずかしいことなのですが、私は息を吹き込むときに管だけをくわえて行っ た為に、傷病者の肺に空気が送られず、唇の隙間から抜けてしまいました。最初の二回の人工呼吸の時、それに気づかずあせってしま いました。それに気づいて今度はいつものように口を覆う形で息を吹き込んだのですが、ビニールがある分、隙間が開きやすくそこから空 気が抜けてしまいました。今までレサコがあれば感染症を気にせずに人工呼吸が出来るとしか考えていませんでしたので、その用法にこん な落とし穴があるとは思ってもいませんでした。やはり訓練とはいえ、経験は大切ですね。
次にヘルメットの脱がせ方を行いました。これは以前、中島さんがコーディネートしてくださいました、八ヶ岳での救急 法の講習会で経験された方も多いと思います。その時とは多少異なると思いますが以下に今回習いました注意点を示します。
1.ヘルメットを脱がすときは必ず二人以上で行う。
2.一人は首を固定し頚椎の損傷を防ぎ、もう一人がヘルメットを外す。
3.意識の確認を行い、意識があるのならば服を楽にする。
4.軽く患部をさわり、その反応を見て状況を確認する(骨折、打撲など)
5.意識がない場合一人は首を動かないように両手でしっかり固定し頚椎の損傷を防ぎ、もう一人がヘルメットを外す。
6.ヘルメットのアゴ紐は外すとき首に負担がかかるようなら切断する。
7.ヘルメットはアゴ下部分のふちに指をかけ左右に広げる(力いっぱい)。
8.時間はかかってもいいので頚椎に負担がかからないようにそのっまゆっくり脱がす。
9.ヘルメットが脱げる瞬間(抜ける時)、反動が大きいので注意する。

また傷病者に近づくとき、傷病者の視界に入らないように気をつけた方がいいそうです。というのは傷病者は不安な為、人が近づくとそちらの方に頭を向けてしまうそうで、そのときに頚椎損傷を悪化させることがあるからだそうです。
次に傷病者の移動(搬送)を行いました。だいたい傷病者一人を運ぶのに四名以上の補助員が必要だそうです。 二名は傷病者の左右で胴体、一名は足、一名は頭の上(顔の上じゃないですよ)で頭と頚椎の保護をしながら持 ち上げます。ただし四名とは基本的な数で、傷病者の体格によってその数は上下します。たとえば体重100kg の傷病者を小柄な女性4人で持ち上げるなんて無理ですもんね。ただし、人 数が多ければ良いわけで無く、補助員が多すぎると連携が取れなかったり、体がぶつかってしまい移動に 困難が生じたりします。次に、首を損傷している可能性がある場合の人工呼吸法を行いました。1.救助者は傷病者の頭頂側に位置する。 2.ひじを立て、両手小指を傷病者のエラに引っ掛ける。3.中三本の指をアゴの下にかける(軽く支えるだけで良い)。 4.小指と中三本の指でアゴを顔の前面方向に引く。5.親指をアゴ(唇の両端の下)にか け、傷病者の胸側に押す。6.開いた口に息を吹き込む。最後に三角巾による額と腕等の保護を行いました。だいたい以上が今回の「ライ ダーの為の普通救命講習会」のおおまかな内容です。三時間でこれだけの事を学び、かなり内容は充実していました。忘れていたり、良く 分からないままにしていたことが明確になったりと今回の講習会で得たものは大きかったと思います。 最後に今回、以前横浜で取った「上級救命講習」の期限が今年の6月までと言うことに気づきました。 KRBで何人か同時期に受けたように記憶しております。皆さんも今一度、終了証を確認してみてください。

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